『移住女子』感想
移住、という言葉は「ほかの土地に移り住むこと」という意味ですが、今の時代では、「田舎に移り住むこと」を指していることが多いように感じます。例えば、東京から横浜に移り住んだことを移住、と表現すると何だか大げさな印象を与えてしまいますよね。
今回はこの「田舎に移り住むこと」を実践した女性を題材にした『移住女子』という本をご紹介します。
岩手、宮城、新潟、長野、鳥取、高知、福岡の都市や町に移住した女性を取材し、まとめたのが本書です。人口数千人しかいない町で農業をしたり、漁業に携わったり、幼稚園を運営したり、季節労働をしたり、シェアハウスを運営したり…様々な職種の女性が登場します。
夫婦で移住した方も独身の方も子持ちの方も出てきますので、今の自分がどんな状況におかれていても、比較的移住後の生活までイマジネーションを膨らませやすく、移住に対するハードルが低くなるような構成になっています。
登場する女性は皆、自然や自給自足に対する愛着も深く、前向きで積極的かつ努力家です。読み終えるころには、頑張ればどんな土地でも生きていけるような気がしてきて、移住に向かって行動に移す人も出るかもしれませんね。
本書は移住を前向きに考えている人には、とてもいい本だと思います。
ただ、仕事や生活、環境の変化や医療などに漠然とした不安を覚えていたり、それを解決するために開く本ではないなと感じました。
全体的にマイナス面の記載が圧倒的に少なく、地域や住民、経済問題などはほぼ触れられてないのです。移住時の年齢層も20歳~30歳と身体に不安の覚えることの少ない年代なのです。
実は、私自身、今北海道の片田舎に移住を考え始めています。とはいっても、具体的にどの町というのは決めきれていないですし、きちんとした(?)田舎で暮らしたこともありません。
自然の中で暮らしたいけどなんとなく不安…そんな気持ちを少しでも解消できればと思い本書を手に取りましたが、残念ながらそこには至りませんでした。
都会だったら、とりあえず勤め先に行って、家に帰ってくる、を繰り返せば生活は成り立つけれど、田舎ではきっとそうはいかない。都会では必要のないエネルギーをたくさん必要とするに違いない…というのはなんとなく感じています。極端な話ですが、都会だったら人間関係を形成しなくても生きていけますしね。
そんな不安をどうやって解消していこう、と悶々としながら、今後の人生についてまた考えていきたいと思います~。感想といいつつ、だらだら想いを綴ってしまいました~(´・ω・`;)